top of page

幼児期のお子さんへ習い事をはじめようとお考えの親御さんが、習い事をする目的のキーワードとして情操教育という言葉があると思います。

この情操教育という観点を解きほぐすと、ピアノを習いはじめた後での親御さんが対峙する困難やストレス等への覚悟、対処、気持ちの持ち方へのヒントがあると思います。

情操教育とは、専門的な事は専門書などをご確認頂ければと思いますが、幼児期の脳の発達期という人格形成での最も大切な時期に豊かな感情、知的・芸術的好奇心を養い、また自律力 (自分でやる事を決めて能動的に行う事が出来る) を持てるようにするという事だと思います。

これらの目的にピアノがとても適している事が、幼児期の習い事の一つとして人気がある理由であると思います。

平均的に、年中から年長の頃にはじめようとされる事が多く、その時期がベストのタイミングである理由もハッキリしています。

先ずは、カンタンなリズム打ちと、カンタンなドレミの音階の声だしです。

リズムを取りながら声を出す事はストレスを発散でき気持ちが良く楽しい気持ちになります。

音楽を奏でる楽しさを体感するはじまりです。

はじめは片手でカンタンなメロディを練習します。

弾けるようになると楽しくて次の曲も練習したくなります。

毎日練習できるように親御さんと共同戦線を張りリードしていきます。

ピアノの練習は、週1回30分のレッスンで完結する事はなく、家での毎日の練習が必要です。

毎日5分ずつ練習すれば1週間で出来るような宿題曲から始まります。

一日の決まった時間に毎日するように自分で決めさせます。

弾けるようになると、とてもうれしくなり、家族も聞いてくれて喜んでくれればさらにうれしくなります。

1週間の毎日の努力が成果となり満足感、自己肯定感、承認欲求、すべてが実現されモチベーション満タンで次の週への練習の継続につながります。

ピアノの良いところは、このように幼児でも少しずつ楽しく始める事ができるところです。

この良好なサイクルが回り始めると子供は自分で勝手にどんどん進めていくようになります。

少しずつ片手から両手になり、そして少しずつ左右バラバラになりますが、毎日の練習により小さな壁を知らぬまに自ら少しずつ越えていく事となります。

自分で決めた練習を毎日続けるのは、小さな子供にはやはりストレスです。時には気が乗らない事も多いです。他にやりたい事はたくさんあります。小さな子供なりの葛藤があります。家族から温かく見守られ励まされ、少しずつ自律力が育つ事になります。

やがて本が進んできますと越えないといけない壁が立ちはだかる事となります。人生で初めての焦燥感です。決して怒ったり強制したりしてはいけません。自分で乗り越えないといけません。

子供、親御さん、講師がチームで一丸となってどう乗り越えていくかです。

「その曲好きだな。上手になったね。ピアノ聴きたいな。」 などの親御さんの声掛けは、お子さんへ大きな励ましになります。

ピアノを通した理想的な情操教育、音楽という芸術が題材なので、技術的な達成度は子供ひとりひとり異なりますが、その子なりに頑張るを継続できる力を養い、芸術を愛する事が出来るようにお手伝い出来ればといつも思っています。

そして、この努力の積み重ねの経験が、中学校に進級する頃に、勉強を頑張ることの大きな基礎になっている事に気づかされます。勉強ほど自分で決めて自分でしないといけない事はないからです。

ひとりでコツコツと努力を続ける事が出来るという事は、自分を律する事が出来、忍耐強く、負けず嫌いで、孤独に強く、ポジティブな思考が出来るという事ですので、人生をより有意義に楽しく送れる素養が養われるという事になると思います。

bottom of page